五百匹のねこと作る俳画
与謝蕪村

春風馬堤曲 

  十八首 
 00     02
 
     01 
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春風馬堤曲  謝蕪邨
 
 01    
 春風馬堤曲 
十八首
  02  01  
      い り   なには   いで   なが ら がは
 やぶ入や浪花を出て長柄川
 02  
  
はるかぜ
 春風や堤長うして家遠し
  03  03  
 堤ヨリ下テ摘芳草  荊与蕀塞路

 荊蕀何無情     裂裙且傷股
               
けい   きょく みち  ふさ
  堤ヨリ下リテ芳草ヲ摘メバ 荊ト蕀ト路ヲ塞グ
            
くん  さ  か  こ
  荊蕀何ゾ無情ナル  裙ヲ裂キ且ツ股ヲ傷ツク
 04  
 溪流石点々   踏石撮香芹

 多謝水上石   教儂不沾裙
    
いし          かうきん    と
  溪流石点々    石ヲ踏ンデ香芹ヲ撮ル
          
われ   くん 
  多謝ス水上ノ石 儂ヲシテ裙ヲ沾ラサザラシム
04    05                     おい
 一軒の茶見世の柳老にけり
 
 06  
   ちゃみせ    ろう ば  す
われ        いんぎん
 茶店の老婆子儂を見て慇懃に
   ぶ やう    かつ  わ    
 無恙を賀し且儂が春衣を美ム
  05  07  
 店中有二客   能解江南語

 酒錢擲三緡   迎我讓榻去
          
         かうなん
  店中二客有リ  能ク解ス江南ノ語
    
さんびん  なげう      たう
  酒錢三緡ヲ擲チ 我ヲ迎ヘ榻ヲ讓ツテ去ル
 08                べう じ     よぶ きた
 古驛三兩家猫兒妻を呼妻來らず
  06  09   
  呼雛籬外鶏   籬外草満地

 雛飛欲越籬   籬高墮三四 
  
ひな        りぐわい   とり         くさ
  雛ヲ呼ブ籬外ノ鶏 籬外草地ニ滿ツ
      
かき
  雛飛ビテ籬ヲ越エント欲ス
      
       お
   籬高ウシテ墮ツルコト三四
 10  
  しゅんそう みち さんさ       せふけい

 春艸路三叉中に捷徑あり我を迎ふ

  07  11        さけ
 たんぽゝ花咲り三々五々五々は黄に
      
き とく    このみち
 三々は白し記得す去年此路よりす
 12  
  あはれ   たんぽぽ  みじかう      ちち    あませり
 憐
とる蒲公莖短して乳を
  08  13  
 むかしむかししきりにおもふ慈母の恩
    
くわいはう
 慈母の懷袍別に春あり
14          なには
 春あり成長して浪花にあり
     
なには けう へん
 梅は白し浪花橋辺財主の家
         
なには   ブ リ
 春情まなび得たり浪花風流
  09  15  
   きやう
   てい   そむ   み さんしゅん
 郷を辭し弟に負く身三春
   もと      とる つぎ き
 本をわすれ末を取接木の梅
 16  
 
             ゆきゆき     ゆきゆき
 故郷春深し行々て又行々
   やうりう   やうや
 楊柳長堤道漸くくだれり
  10  17   けうしゅ          くわうこん
 嬌首はじめて見る故園の家黄昏
   
 よ はくはつ  おとうと いだ
 戸に倚る白髮の人弟を抱き我を
   まつ
 待春又春
  18    みずや   たいぎ
 君不見古人太祇が句
  
やぶいり                           そば
   藪入の寢るやひとりの親の側
 
 街猫ミイ